hello life!

「寄付体験を贈る」という新しいギフトカタログ

『hello life!』は、「寄付する機会をプレゼントする」をコンセプトに、さまざまな社会課題を解決する団体をサポートするための「寄付券付き」のギフトカタログです。

購入者はカタログを購入する際に1000円から選べる「寄付券」を購入し、知人や友人に贈ります。プレゼントされた人は、冊子の中で紹介されている社会課題を学び、その課題解決に取り組むNPO団体からサポートしたい活動をWEBサイトを通じて選ぶと、購入時の寄付金額がNPO団体に寄付されるという、「寄付体験を贈る」新しいファンドレイジングのしくみです。

依頼主は、若者たちによるスタートアップ企業(株式会社KIZUNA)からでした。依頼内容は多岐にわたり、冊子の編集制作のほか、NPO団体の選定、カタログ流通先の開拓などを行う協働型のプロジェクト。当初は、「新しい引き出物カタログ」としてウェディング業界を中心に事業を展開して、さまざまな結婚式場を販路として開拓していきました。

ところが、事業開始から2年後に発生した東日本大震災。自粛ムードのなか、ウェディング業界自体が冷え込み、当初の運営者は撤退。アソボットが事業を引き継ぐことになってからは、「被災地支援の新たなコミュニケーションツール」として活用することにしました。

きっかけは、被災地支援に訪れていた学校で「ずっと支援を受け続けることに申し訳なさを感じている」という学生たちの声を聞いたこと。被災地の学校の先生たちと一緒に、このhello life!のしくみを活用したプロジェクトを立ち上げて、「被災地を支援したい人たち」がカタログを購入し、「被災地の子どもたち」にプレゼントするという復興支援のカタチを目指しました。

具体的には、「子どもたちが“被災者”から”支援者”となる機会」をつくることを目的に、本カタログを使った「寄付教育」の特別授業を実施。冊子を使って世の中の社会課題を学びながら、自分たちの将来に必要だと思うNPOの活動を選んで、各団体に応援メッセージともに寄付金を贈るというものです。

このプロジェクトは、子どもたちに「支援される側」から「支援する側」になってもらうことで、この社会が「持ちつ、持たれつ」の関係性であることを実感してもらいたいと思って始めました。同時に、寄付先に選ばれたNPOの中には、実際に被災地で復興支援をしていた団体もあり、彼らもまた「支援する側」から「支援される側」になったことで、まさに「持ちつ、持たれつのコミュニケーション」を具現化する機会になりました。

サポート先団体一覧

シブヤ大学/アースデイマネー・アソシエーション/セカンドハーベスト・ジャパン/環境エネルギー政策研究所/リカバリー・サポート・センター/Civic Force(緊急即応チーム)/難民支援協会/ぱれっと/グローバル・ヴィレッジ/日本リザルツ/日本紛争予防センター(現・REALs)

CREDIT

hello life! (2009-2016)

運営:アソボット(株式会社KIZUNより2010年に事業譲渡)

企画・編集:アソボット

アートディレクション&デザイン:nanilani